
これぞブラックユーモア映画!!
あらすじ
肉屋の夫婦が繰り広げる人間狩りを描いたフランス発のブラックコメディ。
結婚して30年になる肉屋の夫婦ヴィンセントとソフィーは、結婚生活も家業の経営も危機に陥っていた。そんなある日、店がビーガン活動家たちに荒らされ、ヴィンセントが犯人の1人を殺害してしまう。死体の処理に困ったヴィンセントは、ハムに加工して証拠隠滅を図る。しかしソフィーの勘違いでそのハムを店頭に並べると、思わぬ人気商品となり……。
コメディアン出身のファブリス・エブエが監督・主演を務め、「私は確信する」のマリナ・フォイスが共演。「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2022」(2022年10月21日~11月10日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか)上映作品。2021年製作/87分/フランス
原題:Barbaque
配給:ブラウニー
劇場公開日:2022年10月21日

メインビジュアルから衝撃的!銃を持って人踏みつつ爽やかな笑顔!
あらすじから色々とツッコミどころがある本作。なのに高評価なので気になっていた映画でした。解体描写や過激描写、差別表現などもあるので苦手な方は視聴をお勧めできません。
タイトルからして各方面に喧嘩を売りそうな攻めた作品ですが、痛快なテンポとブラックコメディで乗り切る衝撃の87分を体感すると不思議とこのはちゃめちゃな夫婦の虜になってしまうのです…
※ここから先ネタバレあり感想(未視聴の方はお気をつけください)※
↓↓↓
”経営危機だったけど間違ってヴィーガンの人肉売ったら美味しくて大繁盛!これからも人狩って儲けようぜ!”

なぜそうなる!?!?
一見、とんでもないスプラッター系の映画のようなテーマですがこの夫婦のせいなのかおかげなのか全然怖くないんです。
人体を解体する描写などは結構リアルで血飛沫もすごいんですけどこの夫婦があまりにもテンポよくたまにブラックジョークをはさみながら軽快なBGMの中解体するので、グロさが軽減されてる感じもあります。特に奥さんのソフィーは初めて人肉を食した後も冷静で人肉販売にノリノリです。最初は乗り気ではなかった夫ヴァンサンも徐々にソフィーにのせられていく姿が面白いです。
ヴィーガンの描き方も極端すぎて、ヴィーガン以前に人としてどうなの?!という人ばかり出てくる。それに加え、夫婦が営む肉屋が活動家によって襲撃されるシーンもあるので、絶対的に悪いはずの夫婦を何だか応援してしまいたくなるのです。

悔しいけど、なんかお肉も美味しそう!!!
肉屋なだけあって肉の魅せ方が上手いのか見ているこちらもハムが食べたくなります。同じカニバリズム映画というジャンルで『羊たちの沈黙』『ハンニバル』なども人肉を食しているシーンがありますが、美味しそうとは思えずどちらかというと目を覆いたくなるような表現が多く、それに比べると本作はとても美味しそうに見えてしまうのも不思議です。街の人はもちろん、警察官にも大人気の通称”イラン豚”の誕生です。
”ヴィーガンを狩るにはヴィーガンが集まる場所へ行こう”
肉屋の夫婦はヴィーガンが集まるイベントやカフェレストランに行き、時には環境活動家として自らヴィーガンになりきり”同志”をおびき寄せ”品定め”します。
まるで獲物を狩る時のように「あれは痩せすぎている」、「霜降り肉のように太っているやつがいい」など完全に人として見ていません。ですが、そんな夫婦の愛する娘の彼氏、リュカは”ヴィーガン”なのです(笑)
リュカの煽りスキルが高すぎて、登場する度にそれ以上喋るとハムにされるよリュカー!と言いたくなりますが、最後までギリギリ狩られるずに終わる本作一ラッキーなヴィーガンでした。

もうはちゃめちゃすぎる!
そんな二人にも一応、表面上だけの友達がいて、同じく肉屋を営んでいて経営も好調のお金持ちブラシャール夫妻。何かにつけていくらお金がかかったか、いくら稼いだなど言わなくてもいいことばかり言ってくる嫌味な一面があります。差別的で、他人を下げて自分を上げるような話し方なので全く好きになれません。途中、そんな二人の肉屋を活動家の一員として襲撃しなければいけないシーンがありますが、日頃の鬱憤を晴らすかのように破壊していたヴァンサンはとてもスッキリしたことでしょう。

日常会話しながら狩っている…!!!
ヴィーガンたちを襲うシーンはどんどんコメディ寄りになっていき、途中、チーターやライオンが草食動物の狩りをしているシーンが比較として差し込まれり、料理の隠し味を夫婦楽しそうに話ながら銃で撃ったり、皮肉にもヴィーガン狩りをしていくなかで冷めていた夫婦愛が深まったり…
しかし、狩りが好調だった二人にも天罰がくだります。
過激な活動家たちに肉屋だったことがバレてしまい、ソフィーが囚われてしまいます。しかし、そこにまるでスーパーヒーローのように登場するヴァンサンは活動家たちをソフィーと共に一掃します。
その事件をきっかけに警察に犯行が発覚。更にウィニーの肉に混ざったペースメーカーを食べたブラシャール夫妻の証言もあり、終身刑を言い渡され、夫婦二人とも刑務所行きになりました。

およそ3ヶ月に及んだ犯行で30人あまりのヴィーガンを狩り、販売した夫婦が最後に言い残す言葉は…
”後悔することは?”と裁判官に聞かれたソフィーが言った「ウィニー…」という一言。
この言葉の解釈は色々できますが、私もぐもぐは「ウィニーさえ狩らなければバレなかったのに」という意味だったのではないかと推測しました。
後悔することがそれというのも、サイコパスぶりがすごいオチでしたね。

深く考えずに見ましょう!
ツッコミどころも多く、真剣に見る映画ではないので何も考えず楽しく見ることをおすすめします!
87分しかないのでサクッと見れるのと、テンポの良さが心地よいのであっという間に終わりますが満足できること間違いなし。
ただ、見る人を選ぶ映画なので誰かとご視聴の際はご注意くださいね。
では皆さんもご一緒に…

Vパワー!!!!!
おすすめ度:/(星3.5)